top of page

倍数判定法を理解する


以前、4の倍数判定法について取り上げたことはありますが、今回は3と11の倍数についてと、なぜそのような公式ができるのかについてお話します。

やっぱり一番分かりにくいのは、11の倍数判定法なんですが、皆さんは知っていますか?


奇数番目の位の数の和と、偶数番目の位の数の和の差が11の倍数(0も含む)であれば11の倍数


例えば、71852という数字は

奇数番目の数字の和が7+8+2=17 偶数番目の数字の和が1+5=6

この差が17-6=11で11の倍数だから71852は11の倍数だということです。


この公式は次のように導けます。

例えば、

ABCDEという5桁の整数があったとします。

これはA×10000+B×1000+C×100+D×10+Eと表せますね。


この式を変形していくと。


A×10000+B×1000+C×100+D×10+E


={(A×9999)+A}+{(B×1001)-B}+{(C×99)+C}+{(D×11)-D}+E

=(A×9999+B×1001+C×99+D×11)+(A-B+C-D+E)

=11×(A×909+B×91+C×9+D×1)+{(A+C+E)-(B+D)}

となります。


 11×(A×909+B×91+C×9+D×1)はもちろん11の倍数だから

(A+C+E)-(B+D)が11の倍数かどうかでABCDEという5桁の整数が11の倍数かどうかが決まるわけです。



A+C+Eは奇数番目の位の数の和で、B+Dは偶数番目の位の数の和となっています。


この公式が導かれた根拠が理解できたでしょうか。


これは5桁でなくても同じことがいえます。


3の倍数判定法は、もっと使う機会が多いので覚えている人も多いのではないでしょうか。


「各位の和が3の倍数であれば3の倍数」というものです。

例えば、711は7+1+1=9が

3の倍数なので3の倍数になります。

実際711=3×237なので確かに3の倍数になっていますね。


この判定法も同様にして導けます。


FGHという3桁の数があったとするとF×100+G×10+Hと表せますね。

変形すると


F×100+G×10+H=(F×99+F)+(G×9)+H=3×(F×33+G×3)+(F+G+H)


 後は同じです。


9の倍数判定法も同じようにできるので自分でやってみてください。


ぜひ参考に。




#中学受験 #算数




最新記事

すべて表示

大事なのは「いつ」復習するのか

繰り返し学習が大事なのは、誰もが認めるところだと思います。 また、繰り返し学習には落とし穴があることも、実体験から共感された方も多いと思います。 今回は、それを踏まえて、「いつ復習するのか」をテーマにお話したいと思います。 「エビングハウスの忘却曲線」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。 人は、時間とともにどのくらい忘れてしまうものかを、科学的に実験で明らかにしたグラフなのですが、この実験結果

身の回りの学習

今日は、身の回りの学習についてお話します。 皆さんは、スーパーに買い物に行ったことってあるでしょうか。 そこに並んでいる商品を見て、疑問に思ったことや気になったことはありますか? 例えば、『イカ』を見ても、生のままだったり、凍っていたり、干物になっていたり、缶詰になっていたり。 それぞれ加工の仕方で、保存期間も変わっているということに何となく気付けますか。 そういった『常識的なこと』を普段の学習の

論説文の記述題

今回は論説文の記述題の解法テクニックについてお話しします。 論説文の記述題で問われることには次のようなものがあります。 ・理由説明、結論説明 ・筆者の考え方の変化 まず、最もよく問われるのは1つ目の理由説明、結論説明なんです。 ここでおさえたいのは、傍線部の前後のどちらに答えとなる内容があるかを見極めることです。 よくある文章構成は理由説明の場合を例にとると 1.問題提起→具体例→結論(傍線部)

bottom of page