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受験コラム

更新日:2022年11月13日

今回は、算数の問題を解く上で、知っておくべきことを一つお話します。


皆さん、一般的な入試算数の合格平均点をご存知ですか?


中堅の学校で、7割程度。

難関校では、5割から6割程度となっています。

中には、5割をきる学校も年度によっては存在します。


つまり、合格するお子さんでも、せいぜい6割程度の正答率ということになり、4割前後、解けない問題があっても合格できるということでもあります。


解けないというより、むしろ「解いてはいけない問題」という、いわゆる『捨て問』と呼ばれる、とりかかるべきではない問題というのが入試には埋め込まれています。


このような問題は、非常に難易度が高い、もしくは、履修の範囲を大きく逸脱しているため、時間を大幅に取られてしまい、他の問題を解く時間を奪うような類の問題といえます。


試験という制限時間内に、”解ける問題を的確に選び取る力を求めている”のか、”難易度のアピール”なのか、明確な意図は分かりかねますが、入試では比較的このような『捨て問』の出題率が多くなる傾向があります。

  

このような『捨て問』は、回答率が数%といった、ほとんどの受験生が解けないような問題なので、できなくて当たり前です。


模試等でも入試に似せて『捨て問』がいくつか出題される場合があります。

そのような時の復習では、その他の間違い問題の復習を優先させて、捨て問の復習には時間をかけすぎず、目を通して解き方を確認するぐらいで十分でしょう。


入試過去問題の解説では、捨て問とはっきり注釈しているケースもあります。


普段の学習の中でも、捨て問を見つけたら、×を付けるなりして潔く飛ばし、あとで解説をしっかり読むというかたちで効率よく学習を進めましょう。


完璧主義のお子様(親御様も)には難しいことかも知れませんが、やたらと複雑で面倒くさいだけの問題を解くのは、かける時間の割には得るものが少ない、


つまり、時間の無駄といえます。 


余計なストレスや不安もつきまといますので、『捨て問』を多くの問題の中から選び抜く力を普段の学習で身につけ、テスト等で活かしましょう。



また、学年が上がり、学習が進むにつれて、『捨て問』としていた問題も時間をかけずに解ける問題になっていることもあります。


その時には、是非じっくり取り組んでみてください。


解けたときには自信につながります。


#中学受験  #算数








皆さんは計算問題は得意ですか?


ケアレスミスが続いて、苦手意識を持っている・・・なんてことはありませんか?


実は、算数で「ミス」をしてしまうタイミングのうち、一番ミスが多いのが筆算をするときだと言われています。


 


筆算でミスしやすい場面を挙げてみると、


・九九を出力しているとき

・位取りのとき

・小数点を打つとき

・自分の字が汚い、あるいはスペースのない箇所の歪んだ字を読み取るとき

・答えを書き写すとき


などなど、ミスをしやすい場面がいろいろ出てきます。

特に空いたスペースでランダムに筆算をしていると、見直し時に探すことができなくなることがたびたび起こります。


塾では、一般的に計算ミスをしないために、しっかりと筆算をするように指導されることが多いようですが、残念ながら、ミスを起こしやすい場面がいろいろありますので、これではなかなか難しいでしょう。


しかし、計算問題と言っても、簡単にする方法を見つければ、暗算でできるようなケースもあります。

特に中学受験では、いわゆる「計算しやすい数字」で問題が構成されているケースがたくさんありますので、簡単にする方法とコツをつかめば、すぐに対策できるはずです。


 

例えば、35×72 という計算問題の場合はどうでしょうか。

筆算でなければ、解けなさそうですが、いくつかの方法で簡単にできます。



(解答1)分配法則(足し算)を使うやり方


35×72 =(30+5)×72 


    =30×72 + 5×72

            =2160 + 360 

               =2520



(解答2)分配法則(引き算)を使うやり方


35×72   =(40-5)×72 


              =40×72 - 5×72

           =2880 - 360 

              =2520


(解答3)因数分解を使うやり方


35×72 =(5×7)×(2×36) 


               =(7×36)×(2×5) 

      =252×10 

               =2520



という具合にやれば、筆算を使わなくても、九九の範囲で計算できます。


見直しもシンプルで、ミスが起こりやすいパターンを大幅に減らすことができそうですね。


同様に、よく使う「2桁×2桁」の計算や、「×3.14の計算」「平方数」などは、九九と同じように覚えてしまうことで、計算をすることで発生するミスを大幅に減らせます。


九九を覚えた時と同様、一覧表を作って、目につきやすい箇所に張り出しておきましょう。



#中学受験 #算数









以前、4の倍数判定法について取り上げたことはありますが、今回は3と11の倍数についてと、なぜそのような公式ができるのかについてお話します。

やっぱり一番分かりにくいのは、11の倍数判定法なんですが、皆さんは知っていますか?


奇数番目の位の数の和と、偶数番目の位の数の和の差が11の倍数(0も含む)であれば11の倍数


例えば、71852という数字は

奇数番目の数字の和が7+8+2=17 偶数番目の数字の和が1+5=6

この差が17-6=11で11の倍数だから71852は11の倍数だということです。


この公式は次のように導けます。

例えば、

ABCDEという5桁の整数があったとします。

これはA×10000+B×1000+C×100+D×10+Eと表せますね。


この式を変形していくと。


A×10000+B×1000+C×100+D×10+E


={(A×9999)+A}+{(B×1001)-B}+{(C×99)+C}+{(D×11)-D}+E

=(A×9999+B×1001+C×99+D×11)+(A-B+C-D+E)

=11×(A×909+B×91+C×9+D×1)+{(A+C+E)-(B+D)}

となります。


 11×(A×909+B×91+C×9+D×1)はもちろん11の倍数だから

(A+C+E)-(B+D)が11の倍数かどうかでABCDEという5桁の整数が11の倍数かどうかが決まるわけです。



A+C+Eは奇数番目の位の数の和で、B+Dは偶数番目の位の数の和となっています。


この公式が導かれた根拠が理解できたでしょうか。


これは5桁でなくても同じことがいえます。


3の倍数判定法は、もっと使う機会が多いので覚えている人も多いのではないでしょうか。


「各位の和が3の倍数であれば3の倍数」というものです。

例えば、711は7+1+1=9が

3の倍数なので3の倍数になります。

実際711=3×237なので確かに3の倍数になっていますね。


この判定法も同様にして導けます。


FGHという3桁の数があったとするとF×100+G×10+Hと表せますね。

変形すると


F×100+G×10+H=(F×99+F)+(G×9)+H=3×(F×33+G×3)+(F+G+H)


 後は同じです。


9の倍数判定法も同じようにできるので自分でやってみてください。


ぜひ参考に。




#中学受験 #算数




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